正式な公園名は「神戸震災復興記念公園」で、「みなとのもり公園」が愛称なのだと思います。
以前は、この場所に神戸港駅(貨物駅)があり、港内の突堤や倉庫、工場などに引き込み線が広がっていたのですが、阪神・淡路大震災の後に廃止・再開発され、2010年に現在の公園が開園しました。
貨物駅だった頃から交通量の多い国道、港湾道路、高架道路などに囲まれており、市役所から300~400mほどしか離れていない割には、あまり一般市民の目に触れる場所ではありませんでした。
公園になっても周辺条件が変わったわけではありませんが、市民にとっての存在感はググッと高まったのではないかと思います。
訪れたのが冬なので緑の映え具合がイマイチですが、公園の中央部に大きな芝生広場があり、その外をジョギングなどに使えるトラック付きの遊歩道が囲んでいます。
高架道路の下も公園に含まれており、そこにはバスケットコート、スケートボード場、ダンス用の鏡、自転車モトクロスの練習場などがあり、若者が集まる場になっています。
この写真は2013年8月撮影 |
この写真は2013年8月撮影 |
震災を語り継ぐ場として、被災した木々や石造物などが集められた広場もあります。
「神戸港駅ゆかりのもの」として、安全の鐘、大時計、エンドレーレールのモニュメントが整備されています。
現地の解説板にはエンドレーレールと確かに書かれているのですが、エンドレールの誤植ではないかと思います。
この写真は2013年8月撮影 |
この写真は2013年8月撮影 |
安全の鐘:昭和30年代、8620形蒸気機関車(ハチロク)の先頭に付け警笛の代わりに鳴らしていました。SL引退後は駅で「安全の鐘」の名で事故防止に役立てられてきました。未来に向け市民の安全を祈願して「優しい音色」を響かせてください。
大時計:構内で時を刻んできた時計。力強い復興の始まりを祈念して5時46分を刻みます。
エンドレーレール:
終着点でもあり出発点でもある。希望、未来へ導くレールです。
ちなみに、公園から東側の一帯も貨物駅や引き込み線の跡地なのですが、こちら側はあまりハッキリとした土地利用がされておらず、コイン駐車場などとなっています。
500mほどでNo.247のHATゆめ公園などのあるHAT神戸(東部新都心)に着くのですが、この区間は高架下の道路に歩道も満足に整備されていないような状態のままになっています。何らかの再開発事業が入って、みなとのもり公園からHAT神戸までがつながれば、街の雰囲気がまたグッと変わると思いますが、ぜんぶ公園というのは、ちょっと広すぎてしんどいかな。
しかし、この公園の面白さは、ハード面や見た目だけではなく、公園運営に関わる人の多様さです。その辺は写真ブログでは紹介できませんので、こちらの記事などをどうぞ。
公園の西側すぐには、かつて港の中心だった新港地区があり、ここも古い建物を使ったアート活動などが盛んになりつつあるので、まだまだ色々な人が関われる公園だと思います。
●神戸市による公園整備経過などの紹介ページ
●日本公園緑地協会による公園紹介ページ
(2013年2月訪問)
0 件のコメント:
コメントを投稿