石川県輪島市の市街地の西の端、東に輪島港、西に袖ヶ浜海岸を見下ろす風光明媚な公園が鳳来山(ほうらいざん)公園です。
山の名前は「鳳来」ですが、所在町名は「鳳至(ふげし)町」。鳳至の名は律令時代から続く鳳至郡から採られたものだと思います。大きな鳥が来たり至ったりと意味ありげですが、それ以上は知りません。
それはさておき、私が輪島を訪れたのは真冬の2月。暴風雪警報という雪国以外では聞き慣れない警報が出た日でした。
朝から降り積もった雪を踏みしめて、まち外れの鳳来山に向かいます。
山の東麓には、奥津比咩(おきつひめ)神社があります。
輪島の沖合50kmに浮かぶ舳倉島に本宮があってお祀りされていたのですが、1975年(昭和50年)に分祀されて、こちらの里宮が建てられたということです。舳倉島は古くから夏の間だけ海女が移り住んで漁をする島だったと聞きますので、そのあたりの暮らしぶりが変わってお参りがしづらくなったのでしょう。
奥津比咩神社から少し離れたところに、公園東側の入口があります。
ただまっすぐに昇っていく階段は味気ないようにも思いますが、津波避難の時はこういうのが良いのです。
階段の上から見えるのは輪島港。中でも手前の海士町は漁師町の家並みがよく残っており、有名な輪島の朝市が開かれるあたりとは違った雰囲気があります。
階段をずっと登っていくと広場があります。
雪ばっかりでさっぱり分かりませんが、広場の周りにはサクラやモミジが植えられているような気がしました。
広場の奥の小高いところには、1913年(大正2年)に建てられた鳳至郡内の戦没者をまつる忠魂碑があります。
現地の解説板によれば「この碑は、下で手を打つと反響を起こす仕組みになって」おり、昭和の初め頃に、かの野口雨情もやってきて手を打ったということです。面白そうだったのですが、雪の積もった階段が危なっかしかったので登るのは止めました。
広場からさらに雪道を登ると、山頂の展望台に着きます。
展望台といっても小さな広場とベンチがあるだけですが、眼下に袖ヶ浜を見下ろし、なかなか良い場所です。
帰りは山の西側にある道から、なにかよく分からない動物の足跡を見ながら下山しました。
こういうのも雪山ならではの楽しみです。
(2013年2月訪問)
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