もともと、この辺りは今よりもずっと幅広で、河口なのか海なのかハッキリしないところに島がいくつかある地形で、現在の奥武山公園も川の中島だったのですが、1700年頃から徐々に埋立が進み、戦後は奥武山公園は西側から埋め立てられて陸続きになり、ほかにも両岸から埋立が進んで1960年代にはだいたい今のようの形になりました。
漫湖は、東北アジアと東南アジアを往き来する渡り鳥の中継点として重要であり、市街地直近ながら水鳥が豊富な湿地であることから、1999年(平成11年)にはラムサール条約に登録されました。
この漫湖の両岸の埋立地に都市公園の「漫湖公園」が設置されています。那覇市の資料によれば開園は1980年(昭和55年)、開園面積44haの総合公園です。両岸に分かれているのですが、おそらく観光客の目に付きやすいのはモノレールや那覇東バイパスからもよく見える鏡原側(西岸)です。
漫湖公園(鏡原側)のシンボルといえば、バイパスの高架道から望む巨大なクジラ。
車に乗っていると頭の先と尻尾ばかりがよく見えるので(二つは別々の場所にあるのです)、那覇に住んでいた頃に「あの間はどうなっているのだろう?」とわざわざ見に行った覚えがあります。
まずこちらが頭というか胴体。バイパスからは、手前にいる子クジラはほとんど見えません。
それが引き立てるのは親クジラの巨大さ。右隣(道を挟んでいます)に見える4階建ての高校校舎と見比べても遜色ないほどです。
ドーム状の屋根付き遊び場という表現で伝わるでしょうか。木造と擬石とを組み合わせた巨大砦風遊具(滑り台付き)と砂場、砂場の中にも旗の立つ小さな砦があります。
しかし肝心の砦風遊具は、大きい割にはできることが限られており、階段を登って、吊り橋を渡り、滑り台をすべって降りてくる、の繰り返しになってしまいます。色々と制約はあろうかと思いますが、ガケ登りやネット、ロープ遊具なども組み合わさっていれば、もっと凄いことになっていたでしょう。
また、雨の日でも遊べて楽しいと思うのですが、高架下などの屋根付き遊び場特有の乾燥のひどさがあり、空気が砂埃っぽいのが難点です。
これも3階建て相当はある大きなもので、遠くから見ると窓のような穴がいくつも開いています。 ところが、近づいて見ると入口の扉は閉められ、公園管理のための資材置き場になっています。どうやら整備当初は展望台になっていたものが、管理上の都合で閉鎖されたようです。残念。
ちなみに頭と尻尾の間は林になっています。見えないところが地下に隠れているのか、頭だけ見えているクジラと尻尾だけ見えているクジラの2頭がいるのか...
ほかに、こんなメタリックな雰囲気のカニ型トイレもあります。
クジラのインパクトに振り回されてしまいますが、グラウンドゴルフやゲートボールのできる芝生広場や、観客席も付いたテニスコート、漫湖沿いの遊歩道などもあり、隣接する奥武山公園ともあわせて市民スポーツのメッカとなっています。
埋立地の公園ではあるのですが、しっかり街にとけ込んで、良い感じの公園に育ってきています。
(2012年12月訪問)
【2019年3月追記】
いつの間にか、小クジラがタコに塗り替えられていました!
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