豊見城村の海岸にある人工島・豊崎地区。そこを南北に貫く広域幹線道路が、国道331バイパス(西海岸道路,豊見城道路)です。その道路沿いに、豊崎にじ公園があります。
なぜ「にじ」なのかという理由はよく分かりませんが、いわゆる佳名なのだろうと思います。
そんな佳き名にふさわしくない、雲がいっぱいの日に訪れてしまいました。
こちらは沖縄の公園の特徴のひとつとして個人的に注目している公園門です。公園東側のメイン入口ではなく、北側の遊歩道状の部分の入口にあります。
メイン入口にある園名板の上には、首のない鳥のようなモニュメントがあります。
埋立地にできた新しい街なので「飛翔」とかなんとか意味のあるものだとは思うのですが、私の目には妖鳥シレーヌの頭、もしくは首なし鶏マイクに見えてきます。なぜ首なし?
子供に人気なのは遊具広場。
ブランコだの鉄棒だのといったありがち(古典的)な遊具ではなく、大型複合遊具、巨大すべり台、鉄道モチーフの幼児遊具の豪華三点セットを揃えた、かなり攻めている印象の遊具広場です。
まず、こちらが大型複合遊具。
一棟だけでも十分な大きさの複合遊具を、さらに複数組み合わせたような複雑な形状のものです。
縦・横・斜めの各方向に移動可能で、すべり台部分はトンネル形態になっているため、ちょっと目を放すと子供がどこに行ったのかわからなくなるくらいの迷宮遊具です。
それとは対照的なのが巨大すべり台。
難しいことをとやかく言うのではなく、「とにかく2階の屋根からまっすぐ滑ってこい!」と言わんばかりのシンプルさです。
出口の先にある砂場が、走り幅跳びの砂場のように縦長になっているのが、このすべり台のスピード感を想像させます(実際は減速部の距離が長いので、すべり台から飛び出すこと自体がまずなさそうですが)。
そして幼児向けにはこちらの遊具。
丸いサークル状の線路の上に、機関車や鉄橋などが並んでおり。乗ってよし、運転してよし、走ってよしとなっています。
これだけ遊具が揃っていると子供たちは大喜びで帰りたがらないと思いますが、暑い沖縄では遊びに付き合わされるお母さん方が大変です。
しかし遊具広場の横には、フジロックの会場にでもありそうなテントがあるので安心です(フジロックに行ったことはありませんが)。
若者向けにはサッカー場にもなりそうな芝生広場、バスケットコート、テニスコート、スケートボード場などがあります。こちらも設備はきれいに整っており、なかなか人気がありそうな雰囲気です。
ただ、自分の好みで言えば、広場周りにもう少し樹木植栽を多めにして欲しいという希望はあります。
ところで、公園の中心部を離れると、バイパスにそって緑道状に連なる園路があり(冒頭の公園門の続きです)、その園路沿いに十二支のモニュメントが並べられています。虹だったり、首なし鳥だったり、十二支だったりと公園としてのテーマにまったく一貫性が見えませんが、なにか沖縄の伝承などに因んでいるのだったらごめんなさい。
さて、その十二支のモニュメント。普通に考えれば12匹の動物は統一デザインで並ぶべきなのでしょうが、どうもおかしなデザインのメンバーが混じっています。
それは、公園内でも人気の少ないところにあたるため、誰かに壊されたものを交換する時に、「もともとのデザインのものを置かずに、同じ動物であれば良しとした」のではないかと思われるのです。
例えばネズミやヒツジは、丸っこく可愛らしいデザインで統一されており、当初はこのデザインのものが並んでいたと考えられます。
ただし、ヒツジはネズミの台座と比べて据付用の台座が1枚増えています。よくは分かりませんが、交換の際に据付方法を見直したのかも知れません。
ところが、ウマは揺れる動物の“ウマ型20”のボディを足載せ部分もそのままに据え付けただけで、デザインも素材も違っています。
こちらも、通常台座の上にもう1枚台座を増やしているので、後から交換したことがうかがえます。
しかし公園遊具だったウマはまだしも、ヘビにいたっては、お酒の十二支ボトルにしか見えません!
ふたたび壊されて頭も尻尾もなくなっていますが、ほかのものよりもサイズが明らかに小さいうえ、ヘビが抱えている打出の小槌の持ち手近くには酒の注ぎ口のようなものが付いていて、泡盛メーカー(豊見城市内なら忠孝酒造あたり?)からサンプルを譲ってもらったように見えるのですが...
想像するに、整備段階では予算も潤沢で値の張るモニュメントを置くことができたものが、壊されて交換するとなると乏しい管理予算では同じものを買うことができず、やむなく地元からの寄付などで入手可能なもので凌いでいるのではないでしょうか。
本当のところは分かりませんが、「せっかくの十二支モニュメントなので、欠番は出したくない」という強い意志が感じられました。
最近は、こち亀やキャプテン翼などマンガ作品の銅像を街頭や公園に置くことが流行っていますので、学んでおきたい事例でした。
(2012年12月訪問)
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