旧・福島城の南側にあたる御倉町(おぐらちょう)は、江戸時代には阿武隈川に面して「福島河岸」と呼ばれた川港が設けられ、藩の米蔵などが建ち並ぶ地区だったと言います。
昭和になって、その一角に日本銀行福島支店長の役宅が建てられます。その頃には舟運の役割も縮小し、地区の性格も少し変わってきていたかも知れません。
現在の御倉町地区公園は、この役宅跡を公園として整備したものです。
こちらが役宅側の公園入口。地元では「御倉邸」と呼ばれているそうですが、代々の日銀支店長が御倉さんだったわけではありません。
役宅は1927年(昭和2年)に建てられたもので、中を見学することもできます。また、時々はお茶会などのイベントも開催されているそうです。
お庭はさほど広くはありませんが、川に向かって開放感のある品の良いものです。
邸に面した河川敷部分も公園として整備されて散策できるようになっています。
また、護岸もなんとなく川港風の形になっており、強い意志を持てば往時の姿を想像することができます。
公園内から川に降りる通路の横には、2011年に旧米沢藩の米蔵が移築復元されています。
その際に漆喰などをきれいに塗り直した真新しいもので、その新しさにだまされて、No.251のせんだん公園にあったような蔵っぽいデザインのトイレと勘違いしてしまいました。関係者の方どうもすみません。
トイレは別に立派なものがありました。
その米蔵の陰に一部隠れるような形で立派な案内板が建てられていますが、この微妙な隠れ具合が気になります。コンテンツの主要部はちゃんと見えていますが、図内の位置関係を見るのに重要なはずの福島駅が隠れてしまっています。
米蔵の復元の前後にどういう経緯があったのかはわかりませんが、あまり大きな声では言えない事情がある気がしてなりません。
●福島市による公園紹介ページ
●日本公園緑地協会による紹介ページ
(2012年12月訪問)
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