宮古島の中心である平良市街地は、だいたいが標高20~30mくらいの台地上にあります。この台地の西北端、平良港へと連なるあたりが古くからの宮古島の中心地であり、漲水泊(後の平良港)から聖地である漲水御嶽を経て宮古政庁である「蔵元」へと至る石畳道が整備され、その周りに学校所、社寺、役人たちの住宅などが建ち並んでいたそうです。
明治・大正になって人の往来や物流が拡大すると漲水港の重要性は増し、徐々に港の拡大が進められました。結果、それまで漲水港と呼ばれていた区域よりも広い範囲が港になったため、1958年に平良港と名称を改めることとなりました。
こうして港からは姿を消した「漲水(はりみず)」の名を残すのが、はりみず公園(みなと緑地公園 第三埠頭緑地地区)です。
港湾整備に関連してつくられた公園で、港と国道とに挟まれた場所にあります。
愛称は一般公募によって2003年に付けられたものだということですが、おそらく公園自体はそれ以前からあるのではないかと思われます。
公園の出入口は港の方を向いています。そこから公園に入ると、やや盛土された広場があって周囲をトックリヤシが取り囲みます。
広場の真ん中、まったく日陰にならないところにベンチがあり、落ち着いて休むことは難しそうです。ベンチの周りには何かの柱跡があるので、以前はパーゴラでもあったのかも知れません。
港湾の事業でつくったからと言うわけでもないのでしょうが、道路側=市街地側の入口は裏口っぽさに溢れており、ふらっと公園内に入ることが憚られる雰囲気があります。
公園内には拝所がありますが、人が頻繁に拝みに来ている様子ではありません。
全体として人気の少ないうらぶれた雰囲気があり、使いづらい公園です。
それが負の連鎖を呼び起こしているようで、私が訪れた時にはトイレがかなりとんでもないことになっていました。どうも、このゴミ袋で塞がれた奥で暮らしている人がいるようです。
●平良港湾事務所のページ「みなと緑地公園の愛称決定!」
(2012年10月訪問)
【2015年11月追記】
3年ぶりに訪れてみたところ、はりみず公園のトイレは完全に封鎖され、使えなくなっていました。止むなしと言うべきか。
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