227/1000　盛加越公園（沖縄県宮古島市）-日本1000公園

沖縄の先島地方（宮古、八重山）と聞くと、行く機会が少ない方はかなりの田舎島を思い浮かべるかも知れませんが、宮古諸島、八重山諸島それぞれの中心地になる宮古島、石垣島はどちらも5万人程度の人口を抱えるけっこうな都市です。また空港や港湾を持っていること、圏域の行政や商業サービスの中心になっていること、島なので狭いところに人が集まっていることなどから、本土の5万人都市と比べると都市としての集積や密度は高いように感じます。
ということで、宮古島市の中心市街地である平良にも多くの公園が整備され、ゆとりや潤いのある都市づくりに役立てられています。

その中で、盛加越(もりかごし)公園は宮古島市役所から1kmほど東に行った住宅地にあり、遊具や広場が多く子供が集まりそうな公園です。駐車場も2ヵ所にあって、公園そのものの規模のわりに充実しています。このあたりは車社会の沖縄っぽいところです。
すぐ隣に保育園があり、こちらの子供たちも公園を大切にしているようです。

シンボル的なのは、こちらのシーサー滑り台でしょうか。
コンクリート製のシーサーの前足がビョ～ンと伸びて滑り台になっています。沖縄のコンクリート職人さんは大きなシーサーをつくることにも慣れていると思いますが、とは言え普通の滑り台と比べると造作が格段に細かく大変な作業です。
後ろに見える新しい複合遊具の方が、設置はずいぶん楽だと思います。

複合遊具はもう一つあります。こちらの砦風の木製遊具。これもけっこう新しめです。

さらに砦の横からは、ローラー滑り台。その横には斜面を利用したコンクリート製の大型滑り台。
二つの複合遊具にも滑り台がありますので、相当な滑り台の数です。縁起を担ぐ受験生や芸人さんはこの公園には来ない方がよいでしょう。

公園下段、年配の男性がグラウンドゴルフを楽しんでいた芝生広場には、地球と月？のモニュメント、と思いきや、どうも地球側のスロープ形状などを見ると元はターザンロープ遊具だったようです。
これは遊具のアイディアとして素晴らしい。壊れる前のぶら下がり部の形状がロケットだったりしたら、もっと素敵なのに、と思いました。

また広場の隅の方にはバスケットゴール、その奥にはゲートボールのできる広場もあり、老若男女が遊べるようになっています。

ところで、きちんとした写真を取り損ねたのですが、大型滑り台が設置されている斜面の上に、なにかよくわからないコンクリート製の煙突のようなものが幾つかありました（ローラー滑り台の写っている写真の中央部、滑り口と砦との間にチラッと写っています）。
その場では「井戸かな？それにしては、いくつも並んでいるのは何故？」と思っただけで写真に撮るほどでもないかと思ったのですが、帰ってから人様のブログで拝見したところ、戦中に海軍がつくった地下壕の通気塔だということです。沖縄の公園はこの手が多いことはわかっていたのに、宮古島まで来たことで勘が鈍っていました。無念。

（2012年10月訪問）

【2017年7月追記】
久しぶりに宮古島まで行ったので、盛加越公園を覗いてきました。
いつの間にか、地下壕の横には市教委による標柱と解説板が建てられており、以前よりもはっきりとわかるようになっていました。

●現地の解説板より「盛加越公園内に残る戦争遺跡－盛加越の海軍通信隊壕」
盛加越公園内にコンクリート造りの通気口が3本残っており、この通気口の地下には4畳半から6畳程度の部屋を3つ繋げた構造の地下壕があります。公園の整備の際に出入り口などが塞がれ、中を覗くことはできません。
この地下施設は「日本海軍通信隊」が使用し、モールス信号の受信や飛行機の離発着に必要な気象状況の観測などが行われていました。

この結果、3本残っているうちの1本は非常に目立つようになりました。

しかし残りの2本は、5年前に訪れた時は草むらの中に建っていたと記憶しているのですが、次第に茂みの中に埋もれつつありました。奥にある1本はほとんど見えなくなっていますし、手前の1本も、あと1年もすれば茂みに埋もれてしまうと思われます。
せっかく解説板まで建てたのですから、草刈くらいの手入れはして欲しいように思います。