JR鳥取駅を北に出て鳥取大丸の横のアーケードを抜けると、駅徒歩5分といったところで栄町、瓦町に出ます。鳥取駅と鳥取城跡、県庁、市役所とを結ぶメインストリートの若桜街道から一筋入っただけなのですが、住宅街と飲み屋街が混じり、歯抜けの空閑地も目立つ、なんとも気の抜けた雰囲気のある地区です。
ここは、かつて「衆楽園」と呼ばれた赤線地帯で、加藤政洋の『花街-異空間の都市史』(朝日選書)によれば、明治初年に旧藩主の別邸跡に花街が誕生してから売春防止法の罰則施行によって赤線に終止符が打たれるまでの85年間、花街-遊郭-赤線と業態を変えながら賑わってきたということです。
公園のすぐ横には、なんとなく往時の雰囲気を残す建物やスナック横丁などがあります。
もっとも、1952(昭和27年)の鳥取大火で、このあたりはほとんど焼失していますので、雰囲気のある建物もその後の再建だろうと思いますが。
住民参加の議論を経て、市街地活性化のために取り組まれた再整備では、遊具が取り払われ、より多目的かつシンボリックな空間に生まれ変わりました。
シンボルとなるのは間伐材でつくられた木製ドーム。イベント時には内側にテント屋根が広がります。
とは言え仮設的なもので、木材を雨ざらしで使っているので、あまり長持ちはしないように思います。
木製ドームの下から湧き出た水が園内を流れて、円形池に注ぎ込み、緑の木々とあわせて繁華なまちなかに憩いの場をつくり出しています。
もっとも、円形ドームや池は、見映えはするのですがイベントなどの際に使いにくいようにも思います。
もう少し自由に使える広場部分を大きく取る方が私好みなのですが、実際に使っておられる方々はどのように感じておられるでしょうか。
(2012年5月訪問)
●再整備の際の状況などに詳しいページ
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