熊本県宇城(うき)市にある三角(みすみ)港は、約2km離れた西港と東港とに分かれています。1887年に、オランダ人技師の指導で作られた西港の方が古く、その後、背後地の狭さなどから新しく開かれた東港に港湾機能が移っていき、いまはJRの三角駅とも接続する東港の方が中心になっています。
しかし、結果的に西港では明治時代の港湾や建築、背後の街なみなどがあまり更新されずに残ったことで、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つに数えられます。
西港も旅の行先としては面白いのですが、本日は、今も現役の東港にある2つの港湾緑地を訪ねます。
天草諸島への玄関口ということもあり、JR三角駅は屋根に十字架が飾られたモダンな建物。ただし、東港と島原とを結んでいたカーフェリーの定期航路は20年ほど前に廃止され、今は橋を渡るバスが駅前から出ています。
駅を出て道を渡ると、そこはもう東港。目の前には三角東港広場、そして海の先には天草の島々が見えます。
目立っている建物は旅客ターミナルとして建てられたもので、「海のピラミッド」と名付けられています。ブログ作者としては、「ピラミッドは四角錐でしょ!円錐ならサザエだよ!」と思うのですが、建てた人がそう呼んでいるなら仕方がありません。
そして、カーフェリー航路が廃止されるまでは乗船待ちの駐車場だったところを、気持ちの良い芝生広場としたのが、この三角東港広場ということになります。
ですので、先に港があって、1990年頃に渦巻き建物が建てられて、2010年代に広場がつくられたという順番です。
既存でデザインの個性が強い建物がある中で、新しく広場をつくるとなると、ランドスケープとしては何を目立たせ、何を印象づけるのかが難しいところです。
しかしここでは、本来の「駅を出たら海、島々」という姿を念頭に、障害物を減らして、いわゆる「抜け」の良い景をつくっています。
一方で、駅と桟橋とを繋ぐキャノピー付きの通路がつくられており、広場の内と外とを明瞭にし、同時に桟橋への動線もわかりやすくなっています。
キャノピーに導かれて桟橋の方まで行くと、この日は朝が早かったので旅客船はいなかったのですが、海上保安庁の巡視艇などが停泊していました。
そして、三角東港広場から西へ進んでいくと、ずっと前からある三角港緑地公園へと繋がります。
こちらは、荷役なども行われている岸壁に接する一周500メートルほどの港湾緑地で、特別に凝った整備はされていないのですが、木陰のある盛土丘、周回園路、トイレ、ベンチなどが置かれており、東港広場がまだ駐車場だった頃には、こちらの方が憩いの場だったことと思われます。
広めの周回園路、屋根付きの休憩所などは、ランナーの皆さんには喜ばれるのではないでしょうか。
この日、停泊していたのは、海上保安庁の巡視船いわみ。2026熊本地震の生活支援のために、島根県の港からやってきています。
ふだんは無法者たちに向けて「停船せよ!」とか表示させる掲示板には、今日は「頑張ろう熊本」とのメッセージが記されていました。
次は天草の方にも行ってみたくなった、三角東港の2つの港湾緑地でした。












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