堺市堺区の協和町(きょうわちょう)は、堺市の中心市街地からやや南に離れ、堺市に編入される以前は舳松村(へのまつむら)の塩穴(しあな)という字名だったそうです。
舳松には「神功皇后が船の舳先を松の木に結わえた」という伝承があり、また塩穴庄は古くから皇室領であった記録が残っており、平安時代の和名類聚抄にある「塩穴郷」の南部にあたるとされるとか。舳松村の東には大仙古墳(仁徳天皇陵)もあるので、古い時代から皇室との関わりがあったことがうかがえます。
しかし現在は住居表示が実施され、塩穴はバス停や団地名くらいにしか残っていません。地区内にいくつかある公園名も現町名の「協和町」を使っており、そのうちの一つが協和東公園。
塩穴団地の商店街からスッと入っていける、とても利便性の高い場所にあります。
舗装された円形広場は、団地内の遊歩道ネットワークの一部でもあり、人が集まる場所と、歩いて行き交う場所という2つの要素を備えた、本来の意味での広場として設計されています。
そして、広場からは軽く仕切られた向こう側が、公園としての中心に当たります。
簡単な壁や舗装の違いで利用を分けていますが、行き来は簡単で、どちらからも互いがよく見えるようになっているため、空間としての広がりを損ねていません。
商店街の段階で見えていたものに、じわじわと近づいてきましたが、こちらが公園としてのメイン遊具。神功皇后が乗っていた船かも知れません。
遊具としてのおもな機能は、ジャングルジムと滑り台ですが、マストの上の方まで登れたり、甲板上も多少のスペースがあったりして、多様な遊び方ができる複合遊具です。
船の周りにはコンクリート製の海の仲間達も集まっています。
サザエは、中は小さな滑り台、外側はトゲに掴まってどこでもよじ登れる様になっています。
巻き貝ではありますが、貝殻のサイズが大きくはないので、滑り台は小さな直線に。
天井が低いので、小学生になると、もうキツいくらいです。
イルカとヤドカリなどは、各地の公園で見かけるおなじみの仲間たち。
その中にフグがいるのは、てっちり好きの大阪らしいのでしょうか。
でもでも、アンコウは大阪ではそれほど食べないか。
今は遠く離れてしまっても、海のことを思う協和町東公園でした。
(2024年5月訪問)
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