兵庫県の伊丹市は、東に猪名川、西に武庫川という2本の河川に挟まれた平坦な土地柄なのですが、2本の間にも小河川が何本か通っており、そのひとつが天王寺川です。
二級河川としての全長は5.2kmあまりですが、これの中流あたりがかつての鴻池(こうのいけ)村。1600年(慶長5年)に初めて清酒(双白澄酒)が醸造された地だとされています。
酒造業で財を成した鴻池直文(新六)の家は、後に大坂で両替商に進出し、明治以降は鴻池財閥、戦後には三和銀行・三和グループへと発展しますので、なかなかに歴史の香りが漂うエリアだと言えます。
そんな鴻池地区の大きな溜池の周りを公園にしたのが鴻池第一公園で、すぐ横を流れる天王寺川沿いの緑道と一体的になって、水・緑や遊歩ネットワークの拠点となっています。
溜池は黒池と西池という2つの池が堤で分かれて並んでおり、園地は西池の南側にあります。
グルっと池を囲む遊歩道や緑道と繋がっているということもあって、どちらかと言えば、子供の遊びよりは、ジョギングやウォーキングなどの健康運動や軽いスポーツに向いた作りになっています。
グラウンドゴルフなどに適したサイズの草芝敷きの広場の横には、健康器具が何点か。よくあるストレッチ系のものだけでなく、自重トレーニングにも使えるものが採用されています。
遊具がまったくないわけではなく、少し小高くなったところに複合遊具や鉄棒などもあるのですが、園内全体の雰囲気からすると、やや浮いているようにも思います。
一方、公園の西を流れる天王寺川沿いの400メートルほどが天王寺川緑地として整備されており、鴻池第1公園とひと繋がりになっています。
でもそもそも、天王寺川の堤防上は、一般道だったり、歩行者専用道だったり、公共施設用地と一体になっていたりと区間によって状況は異なりますが、だいたい両岸ともずっと歩けるようになっているので、ここが緑地だからといって、さほど強いインパクトはありません。
歩いて楽しい鴻池第1公園と天王寺川緑地でした。
(2023年10月訪問)
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