与那原(ヨナバル)町の中心から国道沿いにわずかに北に離れた与原(ヨウバル)の住宅内に与原公園があります。
立派な園名石のはるか彼方、公園の背景に連なる山は、民話の中の義賊・運玉義留(ウンタマギルー)が住んでいたという運玉森(ウンタマムイ)です。
与那原町立綱曳資料館のHPによれば、地域には「この地がまだ海岸であった頃、運玉森の山すそに”与那の島”という小集落があり、それが山崩れによって滅亡したという話が古老の間に伝わっている」そうで、言われてみれば、崩壊跡っぽいダラーっとした緩傾斜地に公園が立地しています。
先ほどの園名石、広く舗装されたエントランス広場、そして広場中央の3体のシーサーなど、設備的に妙に豪華なところがあり、開設当時の関係者の気合の入りようが伝わってきます。
園内は大きく上下2段に分かれており、エントランス広場とつながる下段トイレやブランコ、四阿などがあり、上段は野球場になっています。
ただし、ブランコは4連とも使用禁止中でした。遊具そのものの劣化もあるし、足元の除根や整地も必要だし、しばらくは使えないものと思われます。
こちらが上段の野球場。両翼60メートルほどのサイズなので、軟式野球かソフトボールのサイズです。
ホームベースの周りに溝蓋のグレーチングが置かれていたり、片隅にキャッチャーセットが一式投げ捨ててあったりと、なにかと謎は多いのですが、その分だけよく使われている印象はあります。
ものは多くないのですが、その分だけ静かで、それでいて沖縄の公園にありがちな密林のように育って湿っぽくなるほども樹木が多くはなく、ほどよい加減で涼やかに過ごせそうな雰囲気があります。
ご近所の方向けに、集落にひとつは欲しい与原公園でした。
(2021年11月訪問)
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