堀切さくら公園は西宮市街地の西南部にあり、芦屋市との市境となる堀切川沿いにある小公園です。
以前は低層の市営住宅があった土地で、長らく空地になっていたのですが、2016年(平成28年)春に公園として開かれました。
さて、西宮市には(公財)日本さくらの会によって「日本さくら名所100選」の一つに選ばれている夙川公園があり、また市が自ら品種改良を行なってオリジナルサクラ「西宮権現平桜」と「夙川舞桜」を開発するなど、サクラについては非常に熱心な自治体です。
そんな西宮市にあるさくら公園なので、てっきりサクラで溢れているのだろうと思って立ち寄ってみると、それほどサクラは見当たりません。
「花の時期には少し早かったか」「整備直後だし、サクラがそれほど大きく育っていないのか」と園内を見渡しましたが、どうも一本しか植えられていないようです。
このサークル内にある一本だけ。それも八重のしだれ(ヤエベニシダレ)ですので、やや通好みの品種です。
園内には、計画図面から持ってきたようなわかりやすい平面図が掲示されているのですが、これに植えられている樹木の一本一本について樹種や花の色までが記載されていました。樹名板を付けることと比べると、看板一つで済むので効率的な手法です。
この平面図によると、サクラ以外にもハナミズキやサンシュユなど花のきれいな樹、クヌギやトウカエデなど紅葉の映える樹もあって、年間を通じて花を楽しめるように工夫してあるのですが、やっぱりサクラは一本だけ。
ほかの樹木よりも大きめで、植えてすぐ花が咲くほどに生長した苗を植えていますので、数で勝負するのではなく、始めから目立つ品種のサクラ一本勝負で計画されていたことが分かります。
さて、そんな堀切さくら公園の園内は、上の図にある「こどもの遊びの空間」という土敷きの広場と、
「親と子のふれあいの空間」という滑り台、砂場、けんけんぱ道のある幼児向けの遊び空間、
そしてサクラの樹の周りの「花と緑の憩いの空間」とに大別されています。
小さな公園ですが、設計した人の意図が感じられる空間配置です。
ちなみに「けんけんぱ道」は、こんな施設です。
また、川沿いの道路からは1メートル以上下がったところにあるため、この擁壁部分の高低差や壁そのものが、遊び場、遊び道具になっていることがうかがえます。
写真左端の電柱など、いかにも悪ガキが登りそうな気配が漂っています。
数量ではなく、きめ細やかさや多様さに特徴がある堀切さくら公園でした。
おまけ.公園の近所にある顔の家。
(2016年4月訪問)
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