沖縄市の東海岸沿いにある比屋根(ひやごん)地区は、かつては米軍の泡瀬通信施設として接収されていましたが、昭和50年代に返還され、その後20年以上をかけて区画整理が実施されて新しい住宅街となりました。
この地区のうち、現在の町名では比屋根、高原にかけて、区画整理時に整備された4つの公園があります。四神(玄武、青竜、朱雀、白虎)にかけて名づけられた「かめ」「どらごん」「ほうおう」「しーさー」の4つを巡るシリーズ、1回めは北を司る「かめ公園」です。
さて、この公園、実際に現地に行ってみても、どこがカメなのかはよくわかりません。
こちらの水飲み場によじ登っているのが、この公園のシンボルなのでしょうか。
それでは、Googleの航空写真で見てみましょう。
わかりましたか?
そう、ナスカの地上絵よろしく、園路がウミガメの形になっているのです!
園内の看板には、もっと詳しい図面とデザイン面の能書きが記されていました。しかし四神の玄武って、こんなウミガメじゃないと思うのですが...
■現地の解説板より北に位置し、北を表すかめ公園。北の方位示す黒の色彩に本来の亀の色である緑と、太陽の色である黄色を組み合わせることにより、華やかさを演出する。子供たちにしたしみやすいイメージにする。高木を配置し木陰を用いれ、また植栽や低木を取り入れ過ごしやすくやすらげる場としている。
そして能書きの中に書かれている「黄色」がよくわからないですね。あえて言えば、こちらの東屋の柱が黄色ですが。
そして、こちらがカメの甲羅にあたる部分の円形の広場。当然、地上で見てもサッパリその事実には気づきません。
また園路によってカメの外側にあたる「いこいの広場」部分と切り離されているため、微妙に使いにくくなっています。
「いこいの広場」部分は、周囲の道路との間に柵などがなく、どこからでも行き来ができる構造になっています。
周囲の町と一体的になって使いやすいのですが、この公園は地区内では交通量の多い2車線道路に接しているので、子供にとっては逆に安全面が気になって遊びづらいようにおもいます。
そもそも、デザインの考え方を看板にして掲示しないといけないデザインって、仕事としては水準が低いように思います。
この広場の中途半端さ、安全面への配慮の少なさを見ても、デザイン力の使い所を間違っている気がする「かめ公園」でした。
(2015年12月訪問)
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