神戸市の市街地のすぐ背後にあって、市民に馴染み深い再度山(ふたたびさん)から流れ出た宇治川は、最下流部では暗渠トンネルとなって西元町駅の西側を通り、そのままハーバーランド付近で海へと注ぎます。
その暗渠の上部が道路となり、メルカロード宇治川という商店街になっています。西元町駅から南へ出たところの元町商店街やハーバーランドがよそ行きのショッピング街なのに対して、メルカロードは市場の雰囲気のある庶民派の商店街です。
南宇治川小公園は、そのメルカロードから一筋だけ入った目立たないところにあります。
面しているのは軽自動車なら通れるくらいの細道だけです。
付近は小規模な住宅が密集するエリアで、阪神・淡路大震災後に建て替えが進んではいますが、古い住宅も多く残っています。それだけに、この小さな公園も環境向上や防災に役立つことが期待されて設置されていると思います。
仕立てとしては、全体が広場で、隅の方に滑り台、砂場、揺れる動物、ベンチなどがまとまって設置されています。
ただ、こうした密集地の目立たない公園にありがちですが、あまり公園として積極的な利用は多くないようで、もっぱら駅や商店街に向かう人の通り抜けに利用されているようです。
古くなって傷んだ遊具を避けるように2本の踏み分け道が通っています。
あと目立っていたのは、猫。
木陰・物陰にお手製の猫小屋が何ヵ所も設置されており、訪れた時には人のいない公園に10匹くらいの猫が集まっていました。
こうした下町の目立たない立地にある公園では猫小屋、餌巻きが問題化することがままあるのですが、これをやられてしまうと、
猫集まる→公園汚れる
→人来なくなる
→猫増える(出産、捨て猫)
→そのうち猫にイタズラするやつが来たりする
→ますます公園荒れる
といった悪循環に陥りがちです。この公園の猫小屋の多さは、危ない状態にあるようにあるように感じました。
一方で、猫除けペットボトルで猫を入れさせないようにしている勢力もいるようなのですが、あまり効き目はないようで、すぐそばに段ボールの猫小屋が転がっていました。
小さな動物を愛する心は美しいものなので、その心をもう少しだけ公徳の方に向けていただき、地域にとって負担のない形で猫と共存できればよいのですが、いつも悩ましいところです。
(2015年1月訪問)
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