本町公園がある青森市本町(ほんちょう)は、その名のとおり青森のまちの起こりだと言われている地区で、かつてこの付近に文字通り「青い森」が茂る丘があって港に入る船の目印になっていたそうです。
現在は、周囲は業務ビルなどが多い市街地ですが、一方で古くからの寺院や住宅も残っており、幼稚園などもあって公園利用者は少なくない雰囲気です。
敷地は一般道を間に挟んで東西に分かれており、西側にはサンクンガーデン(沈床庭園:周囲よりも少し掘り下げ、底面と斜面を植栽や花壇などで飾る庭園)、藤棚、落葉樹の林などと、外周部に遊具が何点か置かれた広場などがあります。
サンクンガーデンは、おそらくできた当初はこの公園の目玉施設だったと思うのですが、時間の経過とともに少々荒れた雰囲気になっています。ベンチの周りにキノコもいっぱい生えているし。
元々の造形は良いと思うので、庭園の一部に覆いかぶさるように伸びすぎている樹木を整理して、針葉樹のトピアリーを刈りこんで整え、視点場になるパーゴラを少し手入れすれば、また美しくなるように思いました。
ガーデンが少し沈んでいるのに対して、林は少しだけ盛り上がっています。その中には、ヒバやカバノキなど、関西から訪れた私にとっては「いかにも北国」を感じられる樹種が多く植えられていました。もう2週間ほど後だったら、紅葉が美しかったことでしょう。
遊具は、二股滑り台と鎖の登攀遊具をラダートンネルで繋げ、おまけに鉄棒までくっつけてしまった複合遊具が目立っています。積雪地帯なので管理は大変でしょうが、頑張っていただきたいものです。
積雪地という面から見ると、砂場の中のサンゴ遊具(仮称)はともかく、木製のアスレチック遊具は負担が大きいと思います。じっさい、多くの部材で割れが生じていました。
それは東側のブロックにある遊具も同じで、ターザン遊具だったと思われるものは、ただの廃物と化していました。
タイヤ遊具は、タイヤをぶら下げている横木がかなりしなっていますが、まだ遊べそうです。
この東側ブロックにも鋼製の複合遊具があるのですが、広場部分を広く取りたかったのでしょう、遊具はブロックの中でも狭いところに押し込まれており、隣接建物の圧迫感で遊んでいてもあまり楽しくなさそうです。
公園の遊具は、それだけで遊びが完結するものではないので、置き場所にも工夫が必要です。
おまけ
この公園では出入り口付近、サンクンガーデンの周辺以外にはハッキリとした園路が通っておらず、広場のどこでも人が通れるようになっています。
しかし人の動線はだんだんと固定されていくもので、いつのまにか広場の中に一本の道が通っていました。
「これならちゃんと人が歩きやすい園路をつくったほうが良い」という考え方もあるのですが、現代の都市で「踏み分け道」を目にする機会など少ないので、こういう公園が少しくらいあっても良いかなあと思いました。
●指定管理者による公園紹介ページ
(2014年10月訪問)
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