佐比江公園は、JR神戸線と国道2号に挟まれた兵庫区佐比江町にある小公園です。
「佐比江(さびえ)」というのは、かつての兵庫津にあった入江の呼び名で、角川書店『角川日本地名大辞典 28 兵庫県』によれば「佐比は須佐備の意味で、兵庫津の南の入江を須佐ノ入江、北の入江を佐比ノ入江として対照して付けられたものとされる(西摂大観)、また、当地に塞の神という道祖神が祀られていたので、佐比の名をあてたのではないかともいわれる(神戸の町名物語/神戸史談233)」と書かれており、いずれもイマイチ取って付けた感が拭えない由来が紹介されています。
それはさておき、佐比江公園。
園名板のコンクリートがグリッとえぐれている感じが、入江っぽく見えないこともありません。
園内は、広場を中心において、外周部をブランコ、鉄棒、ジャングルジム、小ぶりな複合遊具、パーゴラなどが囲む構造になっています。
このサッカーボールのように五角形と六角形を組み合わせた多面体型のジャングルジムは、アポロの月面着陸機のような雰囲気がして、本ブログでの分類「宇宙遊具」に入れるべきかどうか迷う物件です。
アンテナが付いていれば、間違いなく宇宙なのですが(笑)
しかし公園全体を見渡して、一番印象に残ったのはこちらの注意看板。
一昔前のマンガ風のイラストで、子供たちに注意すべきことをわかりやすく伝えています。
大事なところで使われていた赤ペンキの色が飛んでしまっているのですが、ふりがなのお陰で注意事項が今も伝わるという点も評価ポイントです。
子供にとって公園は楽しい遊び場なのですが、吉展ちゃん誘拐殺人事件(1963年)の昔から、悪人たちの欲望から来る危険が潜む場であることも事実です。
その危険をなくすために、あの手この手で工夫をしている努力がよく伝わってくる佐比江公園でした。
(2014年6月訪問)
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