兵庫県相生市は、旧・播磨造船所(後の石川島播磨重工業、IHI)を核として、企業城下町として発展してきた都市です。
大正時代、海岸近くの造船所に通勤する人たちのために1キロほど離れた場所に大規模な社宅街がつくられました。社宅街の中心には造船所が募集して商人を集めた売店街がつくられ、それぞれが現在の相生市の中心市街地、本町商店街の原形となります。
現在は造船所も小さくなって市の人口も減り、商店街もすっかりシャッター通りになってしまいましたが、社宅街は下町の雰囲気を漂わせるヒューマンスケールの町として健在です。
その中に、非常に規模の小さな遊び場を2ヵ所見つけました。
1つめは、(仮称)細長い方の遊び場。
長屋のすぐ横に寄り添うように配置されています。道路や住宅との間に柵はなく、なにげにバリアフリー構造になっています。
狭い敷地の中に、曲げ加工が懐かしい感じの角張った鋼製の遊具が並びます。なんとなく造船技術が活かされているような気がしてしまいます。
滑り台はツイン式、ブランコと遊動円木が2組ずつ設置されているところに、往事の賑わいが偲ばれます。
目につくのは、フレームから揺れる部分まですべて鋼製の遊動円木。
揺らした状態で周りにいる子供にぶつかると危ないため、全国的に撤去が進んでいる遊具ですが、揺れる部分(円木)は木製のものが一般的で、鋼製というのは珍しいように思います。
2つめは、(仮称)小さい方の遊び場。
細長い方の1/3くらいしかない狭い敷地に、滑り台、鉄棒、ラダー遊具、シーソー、タイヤを所狭しと詰め込んでおり、隙間が怖い人がつくったかのようです。
今の時代には絶対できない詰め込み具合を見ていると、整備当時「子供達のために、一つでも多くの遊具を揃えてあげたい」と願った人達の思いが伝わってくるようです。
(2014年1月訪問)
もう21にもなりますが、遊んでみたくなる場所ですね
返信削除匿名さん
返信削除こんにちは、ブログ作者です。
そのお気持ちは、この公園に関わってきた人たちにとって最高の褒め言葉だと思います。
私も、ここは非常に印象に残る公園で、折に触れては思い出すところの一つです。