220/1000 水前寺江津湖公園の一部(熊本市中央区)

2012/12/26

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「水前寺公園」と言えば、一般的には熊本藩主・細川家の大名庭園である「水前寺成趣園(すいぜんじじょうじゅえん)」を指していると思います。近年の観光客数は年間30万人前後でズバ抜けて多いと言うことはありませんが、熊本市内では古くから熊本城と並ぶ観光地として知られています。

水前寺江津湖(えづこ)公園は、その水前寺成趣園から江津湖(上江津湖、下江津湖)という瓢箪型の湖に沿って約3キロが熊本市の公園になっているものです。名前には水前寺もついていますが、実際は江津湖畔がメインと言えます。
なにぶん大きな公園で、出張の空き時間では全部は回れませんでしたので、上江津湖周辺の地区について書いてみます。

まずこちらが水前寺成趣園。大人400円の有料施設で、詳しくは知りませんがおそらく細川家のお殿様たちを奉る出水神社の所有地だと思います。回遊式の庭園そのものも美しいのですが、その池が豊富な湧き水で満たされているところが見事です。
人口70万人を数える熊本市ですが、じつは水道水は阿蘇から流れ出る地下水に支えられています(熊本市水保全課のページより)。ダムも浄水場もなく、ただ地下から汲み上げた水に基準最小限の塩素を加えただけで各家庭に配水している政令指定都市というのは、ほかに聞きません。この豊富な湧水が、庭園を満たしているのです。

そして、水前寺成趣園に隣接するのが水前寺江津湖公園の水前寺地区(ややこしい!)。以前は体育館があった場所で、解体後に公園になったようです。芝生広場がメインで、目立った施設はありません。
かつての水前寺体育館は、私が子供の頃はプロレス興行のメッカだったので名前だけはよく覚えています。

そこから市電(体育館はなくなりましたが電停名は「市立体育館前」)の通りを渡ると「水前寺児童公園」があります。飛地のようになっているため名前は分けてありますが、熊本市の管理上は水前寺江津湖公園の一部です。
夏だけ開かれる幼児用プールがあり、その中に立派な山遊具があります。訪れたのは10月初めだったのですが、夏の数ヶ月しか使わないのはもったいないように思いました。

児童公園から南へ、川沿いの遊歩道が続きます。横を流れる川の水は清冽で、市街地にこれだけの量の湧き水が流れていることに驚かされます。

また遊歩道沿いには唐突に「芭蕉園」があり、いったいどこへ来たのかという気分にさせられます。というか、こんなところに誰が、なぜ芭蕉園をつくったのかがわかりません。
そしてこの芭蕉園のまわりにも湧水群があり、森の中の至る所から水が出ています。繰り返しますが、ここは70万都市の市街地ど真ん中です。

さらに南へ進むと、川とは堤で仕切られた浅い池が現れます。
池の真ん中にはなぜかゾウの滑り台。なぜこんな場所に?と思いましたが、どうも夏場にはこの池も子どもの遊び場になるようです。
ゾウの拡大写真が撮りたかったのですが、iPhoneしか持っていなかったので十分に近寄ることができませんでした。非常にわかりにくくてすみません。

浅い池からさらに下がると、上江津湖に出ます。周囲は約1.5km、池端を遊歩道で巡ることができ、湖の中の島にはボートハウスがあります。
また湖畔の広場や、湖とは仕切られた浅い堀のようなものがあります。

また、池の端の方で水が湧いている箇所には、国の天然記念物であるスイゼンジノリの自生地があります。ここはフェンスで仕切られており、人が入ることはできません。

堀のようになっている部分は、江戸時代から続く有力武士の子孫の方の屋敷の一部だったものが、わりと最近に寄付されて公園に編入されたそうです。
ここでは10月に入っているというのに、近くの小学生が遊びに来ていました。う~ん、これは楽しそう。

上江津湖の湖畔は、そのお侍の子孫の方に限らず、古くからのお屋敷街だったようですが、レストランや料理旅館などのいい感じのお店も並んでいます。今のところは公園の雰囲気を食いつぶすこともなく、よい共存関係になっているように思いました。

ここから南に、まだ下江津湖周辺の地区が広がっているのですが、そちらは次の機会に訪れたいと思います。

ちなみに日本の都市公園100選に選ばれています。

日本の都市公園100選、日本の歴史公園100選
水前寺江津湖公園の公式ページ
水前寺成趣園の公式ページ

(2012年10月訪問)

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